街なかで狙う小鳥メジロ撮影完全ガイド/初心者のための機材・季節・テクニック解説

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街なかの公園や庭先で、黄緑色の小さな鳥を見かけたことはありませんか?目のまわりに白いリングをまとった、かわいらしい姿のその鳥は「メジロ」という名前の野鳥です。俊敏に枝から枝へ飛び移るため、撮影が難しそうに思えるかもしれませんが、実はメジロには一定の行動パターンや好物があり、ポイントを押さえれば初心者でも十分に撮影できます。高価な機材がなくても大丈夫。大切なのは、野鳥を観察し、楽しむ気持ちです。それでは、身近な自然の中でメジロ撮影にチャレンジしてみましょう!

メジロの近接撮影

まず、メジロと言う鳥ってどんな鳥か見ていきましょう。

メジロの特徴と見分け方

梅とメジロ画像

メジロは体長約12cmの小さな鳥で、全体に黄緑色の羽をまとい、目の周りの白い輪「アイリング」が特徴です。この白い輪が名前の由来でもあり、他の鳥と見分けやすいポイントです。動きが俊敏で、花の蜜や果実を好んで吸う姿もよく見られます。

間違えやすい鳥は

ウグイスとメジロ

左がウグイス、右がメジロです。
メジロは黄緑色で目の周りに白い輪があるのが特徴ですが、ウグイスは茶色っぽく地味な色合いでアイリングはありません。よく「ウグイス色」と呼ばれるのは実はメジロの色で、鳴き声の美しさから混同されがちですが、見た目は大きく異なります。

鳴き声や行動のパターン

メジロの鳴き声は「チー」「チュルチュル」と軽やかで、さえずりは高く澄んだ声です。群れで行動することが多く、木の枝をすばやく飛び移りながら蜜や果物を探します。朝や夕方によく活動し、庭先や公園でも見られる身近な存在です。

地鳴き

さえずり

枝にとまったメジロのアップ

撮影を始めるには、まずメジロの姿を見つけることが第一歩。では、どのような場所で、どの季節に出会えるのでしょうか?ポイントを押さえて探してみましょう。

都市公園や住宅街での目撃ポイント

柿のみにとまるメジロ

街中の公園や住宅街の庭先にある梅や柿の木には、メジロが集団でやってくることがあります。ただし、一日中いるわけではなく、一定時間食事をすると次の場所へ移動してしまいます。特に木が多くある公園などでは、葉や枝に隠れて長く滞在することもありますが、姿を見つけるには少し工夫が必要です。

季節ごとの出現傾向(特に冬〜春)

山茶花に逆さにとまるメジロ

街中でメジロがよく見られるのは、秋に柿の実がなり始める頃から、春の桜が散る時期までのおよそ半年間です。夏になると一部は里山や森林へ移動し、残る個体も葉の茂る樹木の中でひっそりと過ごすため、姿を見つけるのが難しくなります。半数ほどは夏の間里山などへ移動して残ったものは人目につかない樹木の中などに居ます。

花や果物のある場所を狙おう

ミカンにとまったメジロ

メジロは甘いものが大好き。街中でも、柿や梅、ミカンなどが実る木の周りに集まることがよくあります。私自身、散歩のときにそうした木の場所を覚えておき、時期になると撮影に出かけています。ただし、民家の庭などを撮影する際は、トラブル防止のためにも一声かけるのがマナーです。ちなみに、私の家の近くにあるミカン畑では、冬の間じゅうメジロの群れが滞在していました。

桜と逆さまのメジロ

メジロの撮影チャンスで最も狙いやすいのは「食事中」のタイミングです。普段はすばしっこく動き回ってなかなかピントが合わないこともありますが、好物に夢中になっている時は意外とじっとしてくれるもの。どんな食べ物を好むかを知っておくと、ぐっと撮影の成功率が上がります。

メジロの好きな花(梅、桜、椿など)

桜とメジロ

花の蜜はメジロの大好物。特に梅の花が咲く時期には、顔を花の奥まで突っ込んで、花粉だらけになりながら夢中で蜜を吸う姿が見られます。咲き始めのサザンカや椿も人気で、集団でやってくることもしばしば。花の季節は、背景にも彩りが加わるため、写真としても非常に映えるシーンが撮れます。

果物や蜜を求める習性

動画は1.5mの距離まで近づいて、スマホで撮影したものです。

メジロは花の蜜だけでなく、果物も大好物。中でもミカンや柿には目がなく、花以上にじっくりと滞在することが多いため、落ち着いて撮影したい人には絶好のチャンスです。特にミカンは強力な“呼び餌”です。ミカン畑では、皮を少しだけ剥いて枝に差しておくと、メジロが警戒もせずに食べに来ることも。また、冬場には赤い実をつけるピラカンサなどにも群れでやってきます。

自宅の庭やベランダに呼ぶ方法

ミカンとメジロのアップ

庭がある場合、ミカンを枝に差すだけでもメジロがやってくることがあります。特に朝の早い時間は訪れる可能性が高く、自然な姿を観察しやすいです。ただし、1~2羽で来た場合は警戒心も強め。無理に近づくと逃げてしまうため、静かに観察しましょう。

また、バードケーキ(脂や果物などを混ぜた手作りの餌)を設置するのも効果的です。撮影する際は、窓ガラス越しに室内から狙うなど、鳥を驚かせない工夫をすると長く楽しめます。

ポーズをとったようなメジロ

メジロを撮影する際に最も大切なのは、「驚かせないこと」。メジロはとても臆病な鳥で、人の急な動きや近づきすぎた気配にすぐ反応して逃げてしまいます。ここでは、初心者でも実践しやすい撮影のコツを紹介します。

撮影時間帯と光の選び方

紅梅とメジロ

メジロは葉の陰や枝の奥にとまっていることが多いため、光が弱い時間帯や場所では露出不足になりやすいです。特に花と一緒に撮ると、背景に空が入って被写体が暗くなりがち。そんな時は、スポット測光や、あらかじめ露出補正を+1〜1.5段階ほどに設定しておくと、明るく撮れます。晴天の午前中など、柔らかい自然光がある時間帯を狙うのもおすすめです。

活動は陽が登るとすぐに始まるので、早起きすると遭遇できる確率も上がります、日中は、集団で移動が多いので時間はバラバラになりますが、毎日来る庭の木や花などは、同じような時間になることもあります。

鳥を驚かせない接近の仕方

ピラカンサとメジロ

鳥は人の“目線”に敏感です。メジロを見つけてからカメラを構えると、その動作で逃げられてしまうことがよくあります。以前カワセミを撮影した時には、最初からカメラを構えた状態で静かに連写しながら近づくことで、うまく撮れた経験があります。メジロも同じく、カメラ越しに視線を送った方が警戒されにくいようです。動きの速い個体を追うより、食べ物に夢中になっている個体を狙うのが成功の秘訣です。

動きのある瞬間を狙うテクニック

飛翔中のメジロ

メジロは一つの花にとどまる時間が短いため、構図やピント合わせに手間取っているとすぐに見失ってしまいます。たくさんの個体がいても、一羽に狙いを定めて連写で追いかけるのが効果的です。特に花と一緒に撮影する場合、背景や花の配置も意識して構図を決めると、写真の仕上がりがグッと良くなります。

花や実によって違う撮影法

以下に、代表的な花や果実ごとの撮影のコツを紹介します。

柿とメジロ

柿の実は熟してからの方がメジロの訪問頻度が高くなります。頭を実の中に突っ込んで食べている姿は可愛らしいのですが、顔がベタベタになることもあるので、アップで撮る場合は状態をよく観察しましょう。お気に入りの実があると、少しだけ長くとどまることもあります。慌てずタイミングを見て撮影を。

紅梅とメジロ

梅は香りが強く、メジロが遠くからでも飛んできやすい花です。集団でやってきて、一斉に逃げてしまうこともありますが、しばらく待っていると再び戻ってくることもよくあります。花にとどまる時間は短いため、すばやい移動に対応できるように連写で対応しましょう。

桜と飛翔中のメジロ

桜はとまる時間が梅よりさらに短く、群れで次々に移動していくため、タイミングがとても重要です。高い場所にとまることも多く、背景が曇り空だと被写体が暗く写ってしまうので、露出補正や角度の工夫が必要。満開時には花に隠れて姿が見えにくくなることもあるため、チャンスを逃さないよう多めにシャッターを切りましょう。

並木でたくさんの木が有る場合は、どんどん次の木へと移動していくので遅れないようについていきます。

ミカン

ミカンとメジロのアップ

ミカンはメジロの大好物ですが、硬い皮は自分でむけないため、ヒヨドリなどが開けた穴から食べにきます。設置する場合は、あらかじめミカンの近くでカメラを構えて待機すると、警戒しつつも食欲に負けて寄ってきます。連写はそれほど必要はありませんが、食事に夢中のときは連写のシャッター音も気にしないことが多いです。

ピラカンサ

つがいのメジロとピラカンサ

赤い実を好む野鳥の中でも、ピラカンサは特に人気のある木です。メジロにとっても食べやすいサイズで、丸のみしている姿が観察できます。最初は高い位置の実から食べますが、実が減ると低い枝にも降りてくるので、3〜4mの距離まで近づけることもあります。実や葉の影などで休憩して羽づくろいをしているものも見かけます。

山茶花

山茶花とメジロ

濃い緑の葉に囲まれていることが多く、蜜を吸う姿は見えにくいですが、移動のときや顔を出す瞬間を狙うと良い写真が撮れます。隠れる所が有るので同じ木に長くとどまることが多く、慌てず観察を続けると、シャッターチャンスも増えて来ます。

メジロの撮影は、カワセミなど他の野鳥に比べて比較的身近で行いやすく、高価な超望遠レンズやハイスペックなカメラがなくても楽しめるのが魅力です。ここでは、初心者でも扱いやすいカメラやレンズ、設定のポイントについて詳しく解説します。

初心者向けのカメラとレンズの選び方

まず大切なのは、「どんな場面を撮りたいか」を考えることです。

枝にとまったメジロ

たとえば、15メートル以上離れた場所で、素早く動き回るメジロを撮影する場合は、ある程度の連写性能を備えたカメラと300mm以上の望遠レンズが必要になります。一方、自宅の庭や公園で、柿やミカンなどに寄ってくるメジロを撮影するのであれば、10メートル以内まで近づけることも多く、そこまでの装備は不要です。

とまってゆっくり食事している場面なら、連写もそれほど必要なく、コンパクトデジカメやエントリークラスの一眼カメラでも十分撮影が可能です。レンズも200mm程度あれば、距離次第でシャープな写真を撮ることができます。

オススメのカメラは、「Nikon Z50 II」。初心者にも扱いやすく、本格的な野鳥撮影にも対応できます。10万円台から購入が可能で、最先端のAFシステムを搭載し、動きの速いメジロでも高精度にピントを合わせられます。コンパクトなボディに高速連写機能も備えており、軽快に持ち歩けて撮影チャンスを逃しません。エントリー機としては十分すぎる性能で、初めての野鳥撮影にも最適な一台です。

便利な設定(シャッタースピード、連写、AF)

メジロの羽ばたき

メジロは動きが速く、特に羽ばたきのある瞬間では被写体ブレが起きやすいので、シャッタースピードはできれば1/1000秒以上を確保したいところです。飛翔シーンで羽根の形をくっきり写したいなら、1/4000秒程度が理想です。上記の写真は、f6.3 1/2000秒です。

また、とまっている時であっても、突然動き出すことも多いため、AF(オートフォーカス)でピントをしっかり合わせて、連写で複数枚撮っておくと失敗が減ります。撮影後に気に入らない写真は削除すればよいので、遠慮せずにどんどん連写しましょう。

三脚や望遠レンズの活用法

柿とメジロ

ミカンや柿のような果実に寄ってくるメジロを狙う場合は、三脚を使ってあらかじめ実にピントを合わせて待つという撮影スタイルもおすすめです。構図を固定しておけるので、静かに待ち構えることで自然な姿が撮れます。

ただし、花に集まるメジロは動きが速く、場所もどんどん変わるため、三脚よりも手持ち撮影のほうが柔軟に対応できます。

どうしても距離がある場合は、300mm以上の望遠レンズを使うことで被写体をしっかり引き寄せることができますが、望遠になればなるほど画角が狭くなり、動く被写体をファインダーの中で見失いやすくなるという難しさもあります。

トリミングで仕上げよう

トリミング前後

なお、野鳥写真ではトリミング(写真の一部を切り出す)が前提となっていることも多いため、無理に超望遠レンズを用意しなくても、ポスターサイズに印刷するのでなければ十分観賞に耐える作品ができます。

メジロのように小さく、素早く動く鳥は、撮影時にフレームの中で小さく写ってしまうことも多いですが、あとから写真を「トリミング」することで、構図を整えたり、主役を引き立てることができます。

最近のデジタルカメラは高解像度のものが多く、トリミングで画像の一部を切り出しても、ブログやSNS、L版印刷程度であれば十分に画質を保てます。

特に以下のような場面でトリミングは効果的です

  • 鳥が画面の端に写ってしまったとき
  • 背景に余計なものが写ってしまったとき
  • 寄れなかったために鳥が小さく写ってしまったとき

トリミングする際は、メジロの目や表情がしっかり見えるように中心に配置したり、花とのバランスを考えて構図を整えるとより印象的になります。最初から完璧に撮る必要はありません。撮影と編集をセットで考えることが、写真の完成度を高めるポイントです。

メジロを撮影したら、その写真は保存するだけではもったいないもの。SNSでシェアしたり、スライドショーにして動画にまとめたりすれば、さらに楽しみが広がります。

メジロ写真のSNS投稿アイデア

写真は撮って終わりではなく、「人に見てもらう楽しさ」もあります。私は撮りためたメジロ写真をスライドショーにまとめて、YouTubeなどにアップすることがあります。InstagramやX(旧Twitter)では、1枚ずつ投稿したり、季節ごとのまとめをしてみるのもおすすめです。

撮影時のエピソードや使った機材、場所や時間帯を添えて投稿すれば、他の野鳥ファンとも交流が深まります。

観察記録としての写真活用

つがいのメジロ

メジロは比較的身近で見られる野鳥なので、日々の観察記録をつけるのにも適しています。
「いつ・どこで・どんな行動をしていたか」を写真とともにメモしておけば、季節の移り変わりや食べ物の傾向も見えてきます。

観察を続けるうちに、メジロとの距離もぐっと縮まり、次の撮影にも役立つ発見があるかもしれません。

まずは身近なところから、メジロ撮影をはじめてみましょう。

梅とメジロ

メジロは、特別な場所に行かなくても、公園の梅や庭の柿の木など、身近な自然の中で出会えるかわいい野鳥です。動きは早いですが、食べ物に夢中になっている時などはじっとしている時間もあり、初心者にもチャンスは十分あります。

高価なカメラや超望遠レンズがなくても、手持ちのスマホやエントリークラスのカメラでもじゅうぶんに楽しめます。ミカンや梅の花のそばで、ちょっと待ってみるだけでも思わぬシャッターチャンスがやってくるかもしれません。

撮れた写真は少しだけトリミングや明るさを調整して、SNSでシェアしたり、スライドショーにまとめたりと、撮影後の楽しみも広がります。

梅とメジロ

小さな体にあふれる魅力が詰まったメジロ。

あなたもぜひカメラを片手に、近くの公園や庭先でメジロ探しをはじめてみませんか?

カワセミの撮影はこちら↓

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