アサギマダラは知っているけれど
季節になるとTVで話題になるアサギマダラ。
会いたい、写真を撮ってみたいと思っている方。
待っていても会う事が出来ません、そして出会えたら簡単に写真が撮れるのですよ。
渡りの途中で出会う事が多い
アサギマダラは渡りをするチョウなので、毎年同じ様な場所に立ち寄ります。
そこで何日か滞在して花の蜜を吸うのですが、飛び方もゆっくりで、個体差はありますがかなり近づいて、スマホでも撮れる場合がありますよ。
アサギマダラの生態について
秋から冬にかけ日本が寒くなって来ると山の上で避暑をしていたアサギマダラは最適な気温(22℃〜25℃)を求めて南下を始め、寒さが厳しくなる前に沖縄や台湾に移動します。
その移動距離は2000キロ以上に及ぶといわれ春から初夏には逆の移動がはじまります。
マーキングしての移動の調査も行われどこから飛んできたのかネットで分かるようになっています。
幼虫はキジョラン、カモメヅルなどを食草にして、成虫はヒヨドリバナやフジバカマ、スナビキソウの花に寄っているものが多い。
冬が近づくとキジョランなどに産卵します。
写真は5月に見つけたサナギで、撮った1週間後にはもう空になっていました。
羽化後の寿命は4~5か月で冬に渡っていった個体と初夏に戻ってくる個体は違っているのです、なのになぜ同じコースで目的地まで行けるのでしょうか?
生態はまだ謎に包まれた部分も多く、人をひきつける魅力もそんなところにあるのかもしれません。
どうしたらアサギマダラに会えるのか
北は北海道から南は台湾まで、その途中で立ち寄る場所がほぼ決まっています。
数は多くありませんが札幌を経由して利尻島まで行った記録も有るそうです。
主な経由地は、
- 北海道 函館山
- 福島県 グランデコスキー場
- 宮城県 蔵王山
- 新潟県 妙高高原
- 長野県 美ヶ原
- 群馬県 赤城山
- 愛知県 三ヶ根山
- 石川県 能登半島
- 福井県 木の芽峠
- 滋賀県 比良山系
- 京都府 比叡山
- 奈良県 大台ヶ原周辺
- 兵庫県 六甲山
- 鳥取県 大山
- 岡山県 蒜山高原
- 広島県 比婆山
- 高知県 室戸岬
- 大分県 姫島
- 鹿児島県 種子島、喜界島
まだたくさんありますが、ほぼ毎年経由していく有名な場所です。
アサギマダラは、庭にフジバカマを植えていたとしても、寄ってくれるとは限りません。近くの情報を集めて毎年来てくれる場所へ行きましょう。
私は愛知県に住んでいて毎年尾張旭市の森林公園で写真を撮らせてもらっています。
例年、9月の下旬くらいに飛来するのですが、今年(2022年)は10月にはいっても飛来がみられず、気温が下がって餌のヒヨドリバナも終盤を迎えています。2022年10月8日飛来を確認
アサギマダラの里(長野県宮田村)
個体差もありますが、かなり近づいても逃げませんよ。
長野県宮田村にあるアサギマダラの里では、フジバカマの畑に多数のアサギマダラがみられます。
ここでは、5月下旬に北上中と9月に南下するものが見られます。
今年(2023年)は9月26日に527頭(チョウの数え方は匹もありますが頭がよく使われます)の飛来が確認されたそうです。
2023年9月30日、昨日までの猛暑もおさまって、朝からたくさん集まってきていました。10時過ぎには寄っても逃げないほどで、雄雌仲良く蜜を吸っているのも撮れました。
毎日の飛来数はこちら、猛暑も一段落したのでこれからもっと増えそうです。
撮影のポイント
無事にアサギマダラに出会えたら、ちょっと興奮して焦る気持ちを抑えてくださいね。
花にとまって蜜を吸っているアサギマダラは他のチョウに比べて撮影の難易度が低いほうです。
ただし、個体差が大きいチョウですので望遠でかなり遠くから狙っても気配で飛んでしまうものもあれば、スマホで触れるくらいまで寄っても逃げない場合もあります。
飛んでもかなりゆっくりフラフラした感じなので、AFの早いカメラなら追えるくらい。
レンズは望遠から広角、ズームまで幅広く全て使えます。
まず、望遠300㎜くらいで近寄れる個体を探します.花にとまってしばらく動かないのが狙い目です。
ゆっくりと翅を開いたり閉じたりしますのでできるだけ下から翅が透ける角度で撮ってください。
白く見えた翅の模様は透けて浅葱色という色にみえ、それがこのチョウの名前の由来となります。
さらに寄れる場合は、マクロで撮りましょう。
細かな体の模様や複眼までクッキリ撮れます。
マクロレンズで寄れる場合は、スマホでも撮れますが、ゆっくりと近寄ってあまりチョウを驚かさないようにしましょう。
そして、ちょっと技術はいりますが、広角を使って数多くのチョウが飛翔しているところを撮ります。
下から空に向けてノーファインダーで撮影。この時、できるだけチョウに近づいて飛んでいるところにタイミングを合わせます。ISOを上げてシャッタースピードが速くなるように調整しましょう。
できあがりの写真が画像を見るまで分からないので何枚も撮る事が必要、連写も使えますが外れたらすべて没になります。
逆光になる場合は、ストロボを使っても大丈夫ですが、シャッター音には敏感な個体が居るので注意が必要。
マーキングされたチョウもいます
経由地にはマーキングのスポットも多数あります。
長野県のアサギマダラの里でも、かなりマーキングされた個体が混じっていました。
調査には必要なことですが、
写真には写って欲しくない
チョウがかわいそう
という意見も聞かれます。
私個人としては、マーキングが見えたら他の個体を探すなど対処すればよいと思っています。
一度シールでマーキングされたチョウを見たことが有りますが、正直飛びにくそうにみえましたね。
マーキングに関しては、機会があればまた別記事書いてみたいです。
まとめ
経由地の大分県の姫島は、かなりの群生がみられる場所として有名。
南の地方では、そこで越冬する場合もあるので冬と春に両方みられます。
自然が相手の撮影は、その年の気候に大きく影響を受けます。
アサギマダラは、雨の日は蜜を吸いに出てこないです、最も活発に活動する気温は22℃〜25℃。
この記事を読んで飛来する場所に行っても必ず会えるとはかぎりません、かといって待っていても来てくれないのでこちらから会いに行きましょう。すべて運次第じゃなく天気予報は最新のものを参考に。
そして会えたら、ゆっくり舞うモデルさんの撮影を楽しみましょう。