ネットの紅葉情報は最新じゃない場合も
ネットの情報で紅葉写真を撮りに行って
そんなにきれいじゃない
見ごろのはずだけど…
そんな思いをしたことは、ありませんか?
そんな方のために、普段は花撮りをしている私が、毎年紅葉の時期だけ撮り歩いたスポットの情報と詳しい撮り方をご紹介します。
紅葉写真を撮るにはリサーチが大事
紅葉写真は、テクニックだけで上手く撮れるわけじゃなく、細かくリサーチしてこそ納得できる1枚ができます。
出かける前に、旬の時期、時間、光の状態など最新の情報を集めましょう。
特に終盤は3〜4日で気温が急変して見ごろから落葉に変わる時もあります。
中部の紅葉スポットとおススメの情報(2023年の情報もあり)
高原
1 ヘブンスそのはら
標高1600mの天空の紅葉、ロープウェイの始点から終点まで標高差が600mあるのでシーズン中に行けばどこかできれいな色がみられる。
見ごろは10月中旬から1か月、秋季営業(2023年)9月23日~11月19日
雲海の季節と重なるので、運がよければ一面の雲海と紅葉の両方が楽しめます。
雲海は早朝の営業になりますので時間を確かめてお出かけください。
おススメのコースとしては、
ロープウェイを降りてリフトの方に向かわず、左手にコマクサ園からイワナの森への縦走路があります。(2022年9月)問い合わせをしたら通行可能という返事をいただきました。
数年前は途中の急坂にロープが有ったのですが、今は無いようで両手を使った登りになるので、カメラ機材三脚などは背負って足元は登山の装備で行ってください。
縦走路の途中は見どころがいっぱい、カラマツの隙間から見える赤いモミジが足を進ませます。
終点近くのイワナの森手前が例年紅葉のきれいな所になります。
コースはゆっくり撮影しながらでも約1時間。
10月中旬に富士見台高原(1739m)から始まる紅葉は、ロープウェイ山頂駅で11月上旬、山麓駅で11月中旬と降りていきます。
山頂駅でモミジの見頃が過ぎてしまってもその後カラマツの黄葉が見られますよ。
2 白駒の池
中部地方では一番早く紅葉が見られ、標高2120mの峠近くに白駒の池がある。
ドウダンツツジの紅葉が多くなっています。
コケの森は「もののけの森」と言われジブリの世界そのものです。
2023年9月29日現在まだ紅葉は早いようです。
貸しボートで池からの紅葉も撮れます。2023年10月6日頃からみごろです。
渓谷
3 香嵐渓
愛知1番の紅葉の名所、見ごろは11月中旬〜下旬。
2023年は11月20日くらいが見ごろです。
観光バスも多く紅葉時期は渋滞の名所?でもあります。
私はいつも朝6時半くらいに着いて駐車場で陽が登るのを待ちます。
山に囲まれた渓谷ですので早い場所でも8時~9時にならないと陽が差し込んできません。
見どころは、散策路のモミジのトンネル。
香積寺(こうじゃくじ)の山門から見える紅葉。
どちらも早朝なら人が写りこまない写真が撮れますが、光が入って紅葉がきれいに見える時間は、よほど運がよくないと無理ですね。
朝の光が入って一番おススメの場所は、香嵐渓の一番奥、一の谷。
紅葉の色づきもよく透過光で撮るとモミジが浮かび上がるように撮れます。
もう一つ探して欲しいのが、五色のモミジ。そんな種類のモミジがあるわけじゃ無いのですが緑から黄色、オレンジ色、ピンク色、赤色まで全ての色がそろったモミジがたまにみられます、日の当たり具合や気温などの条件がそろうとできるそうです。
ライトアップも有名な場所ですが、撮影は帰り道の大渋滞も有りますので宿泊が良さそうですね。
4 小戸名渓谷 (おどなけいこく)
見ごろ10月下旬〜11月上旬
渓谷の撮影スポットは、旧道(地図のトンネル横から入れます)に入り、車で移動するか徒歩で探すことになります。
渓谷を入れた写真は三脚を使ってスローシャッターが良いですね。
5 付知峡
見ごろ11月上旬
不動公園の中1周800mの遊歩道が見どころで、滝の側もいけます。
ドライブコース
6 せせらぎ街道
見ごろ10月中旬〜11月上旬
写真は2022年11月2日の西ウレ峠です。
飛騨高山から郡上八幡へぬける65kmのドライブコース、最高点西ウレ峠(1113m)から始まる紅葉は半月かけて里におりていきます。
標高差(700m)が有るのでどこかで見頃に出会えますが、逆に全てきれいと言う訳じゃないので何処に絞っていくか迷うところ。
西ウレ峠の遊歩道は2014年の台風被害で通行止めが続いています。
一度通ってみたのですが、大きな倒木が道の真ん中にあったり、道路の半分が崩落した場所が数か所。
復旧工事などの予定は無いようです。
峠から5kmほど飛騨よりにおおくら滝がありますがここは、遊歩道があって滝と紅葉のコラボが見られます。
郡上よりの道の駅、パスカル清見も休憩しながら紅葉が見られる場所です。
地図はせせらぎ街道最高地点の西ウレ峠です。
お寺
見ごろ、11月中旬〜12月上旬
葉の細かなイロハモミジが有名。
山頂の境内や鐘撞堂のまわりは雰囲気もよく色もきれいです。
足の弱い方はスロープカーで山頂本堂まで行けます。
晴天のモミジの色もきれいですが、ここは雨降りも行ってみたい場所。
階段にはりついた葉や
辺りを染める落ち葉も大変風情があってぜひ撮りたい所です。
紅葉時期は駐車場も少ないので調べて行ってください。
桜と紅葉
8 小原四季桜と紅葉
2023年四季桜まつり11月11日~11月30日
2023年は夏の猛暑が長引いたせいで、モミジの色づきは例年並みですが桜の開花が遅れて見ごろがズレる可能性があります。
桜と紅葉のコラボが見られる場所。
街中に数か所会場がありますが、おススメの場所は、川見四季桜の里。
1200本の桜とモミジの共演が圧巻です。
山に登って、川沿いを歩いて、見どころが点在します。
駐車場は毎年変更になるので公式サイトで確認の上お出かけください。ここ2~3年はシャトルバスも運行しています。
何を調べていけばよいのか
きれいな紅葉が見られる条件は、
- 台風や風で葉が傷つけられていないこと
- 夏の間に適度な雨が降ること
- 染まる前にしっかり寒暖差があること
ただし、すべての条件がそろって最高の紅葉が見られるのは、10年に1度くらいです。
これは自然のことなので、変えようがありません。私たちができることは、出かける前にしっかりリサーチすることです。
どの辺りで見ごろになっているのか
標高差のあるところは、場所によって見ごろの時期が変わります。ネットの情報が見ごろになっていても過ぎていたりまだ早い場合もあります。
何時頃に行けば、どんな光で撮れるのか
紅葉写真は朝夕の斜光線が、色も立体感もでてきれいに撮れます。
順光で撮る場合は、葉の反射が有るのでPL(偏光)フィルターを使うと色もきれいにみえます。
道路の渋滞状況や人出
人出の状況によって、三脚など使えない場合があります。
渋滞にまきこまれ、着いたときには撮りごろを逃していたということがないように。
撮影の技術的なこと
見た目の派手な色に惑わされず、撮りたい所をしっかり選んで切り取り露出、補正、ピント合わせをしましょう。決してあれもこれもと欲張らないことが大切です。
絞りは出来るだけ絞ったほうが良いと言われていますがそれ程極端には絞らなくても、良いでしょう。
なぜなら、レンズの解像度は開放から2〜3段階絞った所が一番です、深度にこだわっても解像度自体はそれほど上がらないので覚えておいてください。
レンズは、広角から望遠までカバーできるズームがおススメですが、広角は先に書いたように対象を絞って切り取らないと、難しい。
まとめ
紅葉写真は、ある意味生き物のようなものと言われています。その年の気象状態できれいに育ったりひねくれてしまったりと。
ただ、ひねくれものにも良い一面もあるように、外れと言われる年でも、切り取り方次第で良い写真になる可能性があります。
上の写真はピークを過ぎてしまった紅葉です。
私は「いいとこ撮り」と呼んでいるのですが、光の良いきれいな葉を選んで、それをアップで撮ります。周りの景色は、はいりませんがこれもまた紅葉写真ですね。
その年の一番良い条件で撮るために、ぜひリサーチしてからお出かけを。
(見ごろの情報は、例年の目安ですので公式サイトなど最新の情報を参考にしてください)
四季の花写真↓