イルミネーションの撮影は難しいもの?
クリスマスシーズンになると街中やテーマパークなどでイルミネーションを見かけるようになりますね。
イルミネーションの撮影って難しい?
カメラは?装備は?撮影技術は?
いろいろ疑問に思うことが多く難しそうですがポイントさえ押さえるとそれほど難しくはないのです。
非日常の世界を写してみる
イルミネーションを撮ってみて、きれいだけれど何度も見返してみたいという写真がなかなか撮れないという方、子供の心にかえって考えてみませんか。
イルミネーションの世界って夢の世界じゃ無かったでしょうか。
イルミネーションは非日常を楽しむものなので、普通の写真のようにクッキリとありのまま写しても面白みに欠けたものになります。
では、作例を見ながら解説していきます。
撮影場所とカメラ
今回は愛知県の木曽三川公園138タワーパークでスマホ、コンデジ、一眼を使って色々撮ってみました。
それぞれのカメラのスペックは、
スマホ
ソニーエクスペリア
1220万画素
望遠52㎜(f2.4) 広角26㎜(f1.6) 超広角16㎜(f2.4) 絞り固定
ISO64~3200 マニュアルモードSS(15~1/4000)
コンデジ
キャノンpowershotG15
1210万画素 SS(15~1/4000) ISO(80~12800)
レンズ 28~140mm 35mm換算
絞り F1.8~8.0
一眼
ニコンD750
2432万画素 ISO 100~12800
70~300㎜ズーム F4.5-5.6~32-45
三脚が使用可能か確認
最初に確認することは、三脚の使用が可能なのかという事。イルミネーションの撮影は暗くなってからが多いので三脚が使えないとなると、撮影方法や機材も変わってきます。
スマホやコンデジは何とか手持ちでも撮れそうですが、一眼は70〜300㎜の望遠ズームなので手振れの限界が焦点距離70mmだった場合は1/70秒、焦点距離300mmの場合は、1/300秒が目安。70〜300㎜の今回の撮影データを見るとISOを2500に設定してもf6.3 1/50 秒ということで三脚は必須となります。
幸いここは三脚禁止になっていませんでしたが、混雑時などは暗い場所で三脚を立てていると思わぬ事故も有りますので十分注意してください。
イルミネーション写真の作例
一眼とスマホの違いは、ボケができるかということ。クリアに撮るだけなら、スマホ、コンデジでも十分です。ただ最初に書いたようにイルミネーションは非日常を楽しむ世界、ならばボケと言うのは欲しい要素なのですね。
絞り、シャッタースピード、ISOは参考までに載せておきます。
時間帯で変わる景色
下見がてら撮った夕方、空に青色が残っているうちに撮るとバックが真っ暗な状態よりも空のグラデーションで光も映えて見えます。
暗くなるとバックの変化がつけられなくなるので、イルミネーション自体をどう面白くするか難しくなります、露出もオーバー気味になるのでマイナス補正が必要。
ボケを利用して撮る
この写真も夕方の青空が残った時間帯に撮ってみました。
一眼の前ボケを使うと手前の灯りがホタルのような感じになります。さすがにスマホやコンデジではこれほどボカすのは無理です。
スマホでもギリギリ被写体に近づくとここまでボカすことができます。スマホの場合ほとんどの機種が絞り固定になっているのでボケの効果を出すには被写体までの距離で調整するかiphoneのポートレートモードで背景ぼかしを使う事になります。
アプリで加工、左が元画像になります。
これも左が元画像です。後からボケを作るアプリはかなり種類が有り今回はsnapseedで加工してみました。
snapseedの使い方は↓
手軽に一眼並みのボケが作れるのは便利です。細かいところまでこだわる方は、PCのソフトも多数あるので探してください。
よくSNSで見かける写真ですね。バックが分からないくらいボケてくれる方がおもしろいので、「スマホで撮っているところを一眼で撮る」のがより非日常的な効果を狙えます。
フィルターを使って幻想的に
クロスフィルターを使用すると日常から離れた光景が見られます、絞りすぎると光条が途切れてしまう事が有るので注意。カメラのフィルターをスマホのレンズの前においても撮る事が出来ます。
撮影方法で違ったものが見える
同じものを撮っているのですが左は元画像、右は露光間ズームと言って少し長めのシャッタースピードに設定して、シャッターが切れる瞬間にズームを動かすとこんな感じに撮れます。ズームやシャッタースピードによって効果が違い元の画像が分かるような撮り方もできます、いろいろ撮って効果の違いを確かめてください、同じ写真は二度とできないと思います。この場合は三脚が必要。
スローシャッターを使えば人を消すことができます。完全に消すには長めのシャッタースピードが必要になりますが露光オーバーになりやすいのでNDフィルターや絞りで調整して撮影します。失敗も多いのでシャッタスピードを変えて何枚か撮っておきましょう。
中途半端なシャッタースピードだと半分透けて幽霊のような感じになってしまいます。失敗と言わずあえてこのように表現するのも非日常的なのでは。
合成で撮影後に編集
撮影後カメラ内合成。バックが暗いので黄色のライト2つを合成しましたがほとんど違和感もなく仕上がりました。
この場所では、毎年イルミネーションと同時に花火大会も開催されていたのですがここ2〜3年コロナの影響で中止になっています。そこで、ルミナー4のオブジェクトの追加という機能を使って花火を合成してみました。
ルミナー4を使ったRAW現像や加工について詳しくは↓
主題を変えて撮ってみる
イルミネーションばかりが主役とは限りません、タワーを主題にして手前にイルミネーションを配置、クロスフィルターを使って光にちょっとアクセントをつけてみました。
混み合ってくると人のいない所はなかなか撮れないので、あえて人を入れて楽しさを演出してみるのも面白いでしょう。人が主題になるとイルミネーションも夢の世界に見えて来ますね。
額縁構図で撮る
手前のリングライトを額縁の代わりにして撮ってみました。これならばあえて手前をボカす必要も無くなります。
イルミネーション撮影で意識すること
今回は一眼で撮った写真も入っていますが、スマホやコンデジの手持ちで撮ったものも多数ありました。
イルミネーションの非日常感を演出するために、
- ボケの効果
- シャッタースピード
- 合成
- 主題を変える
この辺りをちょっと意識して撮ると、一味違った写真が出来上がります。
まとめ
寒い時期はとかく家に閉じこもりがち、子供たちにせがまれてイルミネーションを見にいっても肝心の写真が撮れなくては楽しみも半減。
子供たちが非日常の中で遊んでいるなら、撮る方も非日常の中で楽しんでみたいですよね。