遠出せずに紅葉写真を撮ってみましょう
そろそろ紅葉シーズンですね名所に行きたいけれど仕事で行けないという方、マクロレンズで映える紅葉写真を撮ってみませんか。
寄って切り取る写真は、遠出しなくても近所の公園のモミジやイチョウでも撮れますよ。
マクロレンズで紅葉を撮ると
葉っぱだけ撮ってもきれいなの?
ここでちょっと考え方を変えて。
花の写真というのは花だけを撮ってもきれいですよね。私はいつも花を撮っているのですが、この時期は花を撮るのと一緒の感覚で紅葉を追いかけています。色づいた葉っぱも花だと思って撮ってみましょう。
スマホなど広角で撮った記念写真は名所が分かるものが写っていますが、紅葉がきれいだと寄って撮った写真は、それだけ見ても場所が分からないことが多いものです。
マクロレンズの良いところは、余分なものはほぼ色だけにしてボカすことができるという事。
特に中望遠、望遠のマクロレンズは、それほど被写体に近寄らなくてもかなり背景をボカせるので紅葉の名所でも近所の公園でもできた写真はそれほど変わらないものになります。
マクロレンズを使った紅葉写真作例
私は90㎜のマクロレンズで撮っていますが、単体の中望遠レンズとして寄っても引いても使える便利なレンズなのです。
メインは紅葉なので、ある程度背景がボケてくれたら、それで十分。
紅葉の葉っぱ急な冷え込みや強い風に当たっているとけっこう痛むものなのでできるだけきれいなものを選びましょう。痛みがひどい時は、ちょっと引いて撮ると目立たなくなります。
背景がゴチャゴチャしているときは、青空へ抜いてもきれいにみえます。
背景の色は、黒、青、緑などがよく似合い、特に緑は赤の補色になりますので、違和感なく見られる写真ができます。
水に入った紅葉は色あざやかにみえます。
映える写真を撮るための注意
紅葉写真に限ったことじゃないのですが映える写真を撮るには、少しだけ注意しなければいけない事があります。
先日紅葉を見に行った時、中年のおじさんが、
こっちからは逆光になるから、反対から撮らなきゃ
反対側にまわってスマホのモニターを見て、
やっぱり映えるわ
私はその時おじさんと反対に逆光で撮っていて、実は同じように心の中で「映えるわ」と思っていたのです。
写真は太陽を背にして順光線で撮るものである、と常識のように思われている中高年世代の方がいまだに多いのです。
これは、ひと昔前のカメラの説明書や写真の技術書の悪い影響があるようですね。
光の状態で同じものが違って見える
太陽を背にした順光の写真
反対から撮った逆光の写真(見やすく左右反転しています)
同じ葉を全く逆から撮ってみました。色や雰囲気が違いますね。
更にアップで撮ってみると、
順光
逆光(左右反転しています)
順光で撮ると朝夕の斜光線ならば目立ちませんが昼間になると影も出来にくいので全く立体感が無くなります。
逆光はまともに撮ると暗くなってシルエットになってしまいますのでほんの少し斜めから撮って透過光にすると葉っぱがきれいに透けて色も鮮やかになるのです。
紅葉写真の色鮮やかさを出すには透過光が一番なのです。
背景や枝もひと工夫できれいに
背景の明るさで表現も変わってきます。モミジを例にあげてみますと、暗めの背景はモミジの赤がひき立ちます。全体にシックな雰囲気ですがモミジまで暗くならないように注意が必要。
反対に背景が明るめの時はシルエットにならない程度にモミジの露光を少し暗めにした方が色もよく出ます。
モミジの色と言うのは、露出がアンダー目の方が色濃く出ます、作品の雰囲気によって濃い色と淡い色を使い分けるとよいでしょう。
葉っぱだけじゃなく枝の面白さもあります。
散った後の風情も楽しんで。
このあたりのテクニックは、紅葉の名所へ行っても使えますので覚えておくと役に立ちますよ。
まとめ
できることなら紅葉の名所で撮ってみたい写真、ただ、仕事の都合、天気、紅葉のピークをすべてクリアできる条件ってなかなか無いですよね。
私も現役で仕事をしているころは、日曜日しか休みが無かったので紅葉のピークと天気を運に任せて出かけていました。
思い出として観光地で撮った写真も公園で撮ったアートな写真も同じその年の紅葉写真です。マクロレンズで切り取ってしまえば、保存して楽しめる写真が作れます。
記念の写真としてではなくあくまでアートな作品として楽しむのも良いじゃないでしょうか。
街中の紅葉は12月まで楽しめます。街路樹にはサトウカエデやハナミズキなどきれいに染まる木も多くあるので、ピークに合わせて今年の紅葉写真を撮ってみてください。