屋内の水滴写真は照明設備が必要
水滴写真というと、屋内で照明や三脚を使って一眼にマクロレンズで撮るイメージがありますね。
カメラやレンズもプロ並みの物を使用して撮影していると思われがちですが、コンパクトデジカメやスマホでも屋外で簡単に撮る事ができるのです。
プロの写真はきれいでも手軽に撮れない
水滴の中に花が映り込んだプロが撮った写真をよく見かけますが、これを真似して屋内で撮るとなると照明が意外に難しく、思ったようにきれいな写真が撮れないことが多いのです。
その点屋外の太陽光で撮ると光が全体にまわった写真を撮る事が出来ます。
水滴がついた茎や葉の後ろ側に花のある場所を探しますが、花があまり離れていない方がきれいに写ります。
屋外の水滴撮影の条件
光が被写体全体に当たっている場所を選ぶ
映り込んでいるものはかなり小さくなるので、影が入ると見にくくなります。全体に光が当たっている被写体を選びましょう。
風の無い日(場所)を選ぶ
近接撮影の場合、風が有ると少しの揺れでもフレームから外れるくらい動くので撮るのが困難です。弱い風でも影響が大きいので風よけなどの対策も必要。
できれば三脚を使用して撮る
使うことができる条件なら三脚使用が望ましい。
今回は手持ちで撮れるか試してみたのでブレないようにシャッタースピードは速めの設定にしています。
スマホで撮った水滴写真の作例
コスモスの水滴写真(トリミング有り)
私のスマホはSO-01(sony)レンズが3眼になったものですが、2016年発売のかなり古い型になります。
そのままでは、マクロ撮影ができませんので、フォーカスをマニュアルモードにすると9センチくらいまで被写体に寄って撮影可能。
この状態からピント合わせに入りますが、拡大してのピント合わせなど無いので最短撮影距離でスマホを前後して合わせることになります、かなり目が疲れますね。
シャッターを切るときに動くとボケやブレになるのでセルフタイマーを使うとピントに集中できますよ。
コスモスの水滴写真(トリミング無し)
最初からズームして大きめで撮っていますので一応トリミング無しです。これでも茎にはピントが合うのですが水滴の中まではなかなかピントが合わない。私のスマホでは最短距離より近づくとズーム解除になりワイドに戻ってしまいます。
等倍で撮っても水滴の大きさと言うのはかなり小さいのでスマホも一眼もトリミングが基本になります。
この画像は4032px × 3024pxなのでトリミングしてもみられる画質ですが、解像度が一眼よりは劣るのでここからのトリミングは避けるべきです。
水道の蛇口からの水滴写真
この写真は花よりかなり難しくなりますね。
私のスマホでは絞りの調整が出来ないのでシャッタースピードをいっぱいまで速く(1/4000秒)して、それに合わせてISOも上げます。
フォーカスもマニュアルで連写しますが、落ちた瞬間にシャッターを切っても遅くてなにも写らないので、落ちる瞬間を予測して一瞬早めにシャッターを切るのがコツです。
一眼の作例でスマホと比較
コスモスの水滴写真を3種類
一眼にマクロレンズの撮影写真になります。
この日は風が少しあって揺れながらの撮影でした。風がある日は三脚も手持ちもピント合わせの難易度は一緒ですね。
一眼なら手持ちの方が風に対応できる感じですが、スマホでは揺れたらかなり厳しい条件になります。
スマホでも一眼でも水滴はできるだけ大きく丸い方がピントを合わせやすいです。ピントが合っている場所はかなりクッキリと見えます。
オートフォーカスではピントが水滴に合いますが、映り込みを撮るにはマニュアルフォーカスにして更にミリ単位で奥に合わせなければいけません。
水滴と花の位置も大切で、近すぎると花の一部しか映り込まなく、遠すぎると花の形が分かりにくくなります。背景で色だけのボケになるくらいの距離が良いでしょう。
多少の解像度の違いはあっても、写り方の差はそれほど感じなかったようです。
水道から落ちる水滴写真
1/2000秒で落ちる水滴が撮れました。多少はスマホよりクリアに見えますがスマホより格段に良いという訳でも無いですね。
動いている水滴の中の映り込みは、スマホも一眼も変わらず難しいもので、枚数をたくさん撮って慣れていくしかないです。
タンポポの綿毛の水滴写真
私のスマホではたぶん無理なミクロの写真になります。
この大きさになりますと肉眼でのピント合わせは、ほぼ無理なので等倍の拡大でピントを合わせます。
それでもコンマ何ミリという世界ですので、外のフィールドではあるていど合ったら後は感でピント合わせをしています。
実際に撮ってみると、何処かでピントが合う点があるはずなのですが、なかなか見つからないことが多い。
そんなときは、ピントをレンズの最短撮影距離に固定して、カメラを構えた身体ごと前後して合わせます。とは言ってもコンマ何ミリの前後ですのでこれまた感ですね、視力検査で見えるかどうかのギリギリの所を見るような感じです。
綿毛のタンポポは移動も簡単ですので真後ろに花を配置して撮ると映り込みもゆがみが少なくなります。
雨の場合は霧雨程度じゃ無いと、普通の降り方では綿毛が水滴にならず風呂上がりの髪の毛のような状態になってしまって写真にならないので細かな霧吹きで様子を見ながら水滴をつけるのが良い方法です。
絞りを絞って速いシャッタースピードも欲しいのでISOを上げて撮影。
水滴はたくさん並びますが、いくら欲張っても全てにはピントが合わないのでできるだけ大きな水滴を選びそれにピントを合わせます。
条件次第でスマホでもきれいに撮影
大きめの水滴なら私のスマホでも十分きれいに撮れます。
茎についた水滴は連写してもあまり効果がないでしょう、ピンボケしていたら同じ写真を量産するだけですから。動く水滴は、連写で必要なショットだけ選ぶのも良いでしょう。
綿毛の水滴など更に小さな水滴を撮るには、セルカレンズなどスマホ専用のマクロレンズを使うという手もあります。
マクロレンズは被写体が大きくなる分ピントもシビアになりますのでご注意を。
スマホも一眼も三脚が使える状態ならば有ったほうがピント合わせには楽なようですが、シャッターを切った時に動くことが有りますので、リモコンシャッターやセルフタイマーを使う方が安全です。ただし、私の経験では、水滴の撮影に関しては微妙な映り込みの角度調整など三脚では合わせにくい場合もありました。
茎などに水滴がつきやすい花が季節によって有りますのでちょっとご紹介します。
春夏はシラン、アガパンサス、アジサイの茎にきれいに水滴がつき、秋冬はコスモスの茎や山茶花の雄しべや花弁についた水滴が撮りやすいでしょう。
朝日や夕日の映り込みを狙っても、色のきれいな写真ができますよ。あくまでもピントは、水滴じゃなく水滴の中の映り込んだものにしてくださいね。
まとめ
今回はちょっとワイルドに屋外で手持ち撮影という条件で検証してみましたが、思ったよりもきれいに撮れることがわかりました。
最初からクッキリきれいに撮ろうと思ってもなかなか撮れませんのでできるだけ数多く撮って中からきれいなものを選択するのが良い方法です。
ピント合わせは、慣れてくると誰でもできます。
目がよくないと無理でしょ
そんなことはありません、私は強度の近眼でメガネの度数が一番強い物を使っていて左目は白内障と右目は緑内障で眼科に通っている状態、おそらく普通の方が撮れば私より簡単にピント合わせができると思います。
一眼でしか撮れないと思っていた水滴写真もスマホの性能が向上して手持ちでも簡単に撮れるようになってきました。私のスマホでは無理だった綿毛が撮れるくらい精密撮影のできる機種も中には有るそうです。さらに細かな世界に挑戦したくなりますね。
スマホの機種で違いはありますが、カメラアプリを変えたら機能が追加できるものもありますので、ぜひお試しでスマホを持って水滴写真挑戦してみてください。