湿地に舞うサギソウの魅力を引き出す写真撮影と生態や育て方のポイント

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夏が訪れ、暑くなるとサギソウの花をよく見かけることでしょう。もしかしたら、あなたもその美しい花を写真に収めたいと思っているかもしれませんね。そんな方のために、サギソウに特化した撮影法や栽培の方法についてまとめた記事をご紹介します。サギソウの花を見るにはどこに行けばいいのか、自宅で栽培する際のポイントは何か、それらを分かりやすく解説しています。ぜひこの記事を参考にして、サギソウの魅力を追求してみてください。

サギソウの花の特徴と花期

サギソウは美しいラン科の花で、主に湿地や水辺に咲くことで知られています。その名前は、シラサギが飛ぶ姿に似ていることから由来しています。

湿地に咲くサギソウ
ニコンD750 90㎜  f7.1 1/1600秒

花の形は変わっていて上から見るとシラサギが翼を広げた形に見えます。花の根元からという管のようなものが垂れ下がってそこに蜜がたまります。

主な自生地は本州、四国、九州にある低地の湿地ですが、園芸種はビオトープや公園などで栽培されているところもあります。

近年湿地の減少などで、どんどん自生地が減って、

  • 秋田以南で準絶滅危惧1類
  • 栃木、静岡、愛知、三重など準絶滅危惧2類
  • 高知、群馬、山梨、東京の1部で絶滅
  • 滋賀県で準絶滅危惧

このように自生種は特に貴重な花になってます。

湿地のサギソウと撮影データ
ニコンD3200 90㎜  f5,6 1/1000秒

自生種はなかなかみつからなくても、園芸種が数多く出回っているため、比較的簡単に見られる花です。美しい花と独特な葉の形状が観賞価値を高め、多くの人々を魅了しています。湿地や水辺が好きなサギソウは、自然の中で見られるだけでなく、鉢植えとして手元で栽培できます。写真愛好家にとっても人気の被写体です。

開花は7月の中旬で1か月くらい次々と蕾が開いて見ごろが続きます

湿地のサギソウと撮影データ
カシオEX-2R 7mm f9.9 1/250秒

サギソウの花は、開花後約1週間ほど咲き続けますが、その後花の縁から色が変わって枯れていきます。ピークの時期には群生して咲くこともあり、その美しい姿はまるで鷺が群れているように見えます。

全国のサギソウが見られるスポット

主なスポットは自生地になっていますが、園芸種でもわりと有名になっているところも有ります。

湿地のサギソウとシラタマホシクサと
撮影データ
ニコンD3200 90mm f8 1/2500秒

有名な場所だけ簡単に調べてみましたが、自生、植栽、問わずに書いてますのでご了承ください。

花の形状を生かす撮影方法

花や場所を生かした撮影を考えてみましょう。

湿地で撮る

湿地のサギソウと撮影データ
ニコン3200 90mm f8 1/640秒

私が主に撮影に行く場所は、尾張旭市の森林公園で植物園内の2カ所の観察湿地でみることができます。

また近くの吉賀池湿地は年に数回公開される湿地でたくさんのサギソウの自生がみられます。

木道の近くの花は、マクロレンズで等倍まで接写が可能で貴重なハッチョウトンボの時期とも重なってうまくいくとコラボが撮れます。

朝露にぬれたサギソウと撮影データ
ニコンD750 90mm f7.1 1/1000秒

朝は、ほとんどの花が水滴(朝露)をつけた状態で撮れますが晴れているとすぐに水滴は無くなりますので早めの時間に撮影に行けると良いです。

また、日中はサウナ状態のような暑さになるのでカメラが誤作動したりしますので特に朝方の方がオススメです。

下からの撮影と撮影データ
ニコンD3200 90mm f8 1/ 2500秒

この写真は下からのアングルになりますが、スマホの自撮りモードで撮るか、下に鏡を置いて撮ります、いずれも自分の姿が入らないように注意しましょう。

背景を変えた画像と撮影データ
ニコンD750  90㎜   f7.1 1/160秒

これは上から撮っていますが、背景に青空?不思議ですね。

ブルーシートを切った物を背景に置いてみました。

上から重なりを撮影と撮影データ
ニコンD750 90mm f8 1/800秒

花がたくさんある時は、こうして重なった感じで撮ると動きも感じられますね。ボケも効果的に使えます。

水面の反射を利用と撮影データ
ニコンD750   90mm f6.3 1/2000秒

湿地の水たまりを利用して玉ボケを作るとちょっと幻想的な雰囲気に撮れます、ファインダーやモニターを見ながらちょうど良いボケを探してください。

背景の暗めの画像と撮影データ
ニコンD750 90mm f6.3 1/500秒

光を味方にしよう

一番注意しなければいけないのが、直射日光が当たってる場合で、特に背景が暗いと花が白飛びしてディテールも無くなってしまいます。

同じ条件で撮ると、そこの写真全部失敗なんてことにもなりかねませんので、ある程度マイナス補正するか、あまりギラギラに光ってるときは、花に影を作ってあげると良いです。

湿地では自由にアングルは選ぶことができませんが、鉢植えなら自由が効きますので一週回って撮ってみると意外な一面が撮れるかもしれません。

花選びも重要

縦撮りのサギソウの全体と撮影データ
ニコンD3200 90mm f7.1 1/1600秒

サギソウの花は一定の期間持ちますが、撮影する際は近くでよく見て、咲きたてで痛みのない花を選びましょう。花は小さいため、花弁の縁が茶色に変色していることに気づかないことがあります。特に群生が始まると、痛んだ花も多く見られることがあります。そのため、美しい花を撮るためには新鮮で健康な状態の花を選ぶことが大切です。自然の美しさを写真に収める際には、慎重に選びながら撮影することで、より魅力的な写真が残せるでしょう。

レンズの選択

湿地の玉ボケとサギソウと撮影データ
ニコンD750 90mm f6.3 1/1000秒

木道などから離れている場所は望遠レンズで、近くに寄れるときや鉢植えを撮る場合はマクロレンズでボケを効果的に使いたいです。

撮影の注意点

250㎜の望遠撮影とデータ
ニコンD3200 250mm f5.6 1/640秒

公園や管理された場所では、サギソウは鉢植えや木道などで身近に観察できますが、自然の中では近づきすぎると花が踏まれてしまうこともあります。

自然のサギソウを見る際には、湿地を荒らしたり花を摘んだりしないように注意しましょう。自然の花を守り、その美しい姿を次の人々にも楽しんでもらえるように大切にしましょう。自然とのふれあいは素晴らしい経験ですが、その一瞬の楽しさを持続させるためにも、環境保護とリスペクトが重要です。皆さんが持ち続けられる美しい自然を楽しんでください。

サギソウの花が咲く季節は長時間湿地にいることは危険です。高温多湿な環境では熱中症のリスクが高まるため、湿地から出る際は休憩できる場所を探して休憩しましょう。湿地から出るだけでも体感が変わりますし、十分な水分補給も忘れずに行いましょう。自然を楽しむ一方で、体調管理を大切にして安全に観察することが重要です。

サギソウの育て方と種類

自生地などで採取できないサギソウも今は鉢植えなどで販売されています。サギソウの性質を理解して育て方をみていきましょう。

植え付け

サギソウは、鉢植えをそのまま買って育てることもできるのですが、一般的には球根を植え付けることが行われます。球根を植えると、1つの球根から3個くらいの新しい球根が同じ年にできます。花が終わるとができてそれから栽培もできるそうですが、難しく開花まで何年もかかります。

今年咲いた鉢は来年もそのままで咲くの?

簡単ではないようですよ

花が終わった鉢は翌年も球根があれば咲きますが、管理が大変なので球根を掘り上げて植えかえした方が咲きやすいでしょう。

日当たりや水の管理

鉢植えのサギソウ

日当たりの選定

サギソウは水辺に生息する植物ですが、日光をたっぷり浴びることが必要です。日当たりの良い場所を選びましょう。ただし、日差しが強すぎると葉やけを起こす可能性があるので、夏は遮光ネットを使って30%~50%程度の日陰を作りましょう。半日陰程度でも育つことは可能ですが、できるだけ明るめの日陰が良い環境といえます。

土壌と水の管理

サギソウは湿った環境を好みます。土壌が常に湿っていることが重要ですが、水をため込みすぎないように気を付けましょう。ミズゴケなどを使うと湿度を保ちやすく、管理もしやすくなります。特に暑い季節や乾燥した環境では、こまめに水やりを行う必要があります。土が乾いたら、適度な量の水を与えましょう。

鉢植えの場合は、鉢底に穴を開けて水はけを良くすると、水をため込むのを避けることができます。

鉢植えのサギソウ

冬場の水やりも大切で、乾燥を避けるようにしましょう。適切な水やりを心掛けることで、サギソウは健康的に成長し、美しい花を咲かせます。

肥料の選び方

もともと、湿地など貧栄養の土地に自生している植物ですので、肥料はそれほど多く必要としません。開花前の初夏に1~2回液体肥料を水やりの替わりに与えます。

開花後の管理

花が終わったら、種をつけないように摘み取り、養分が新しい球根に行くようにします。花の時期が終わり、秋から冬にかけても、水分は切らさずに過度になりすぎないように注意が必要です。花の時期よりも管理が難しくなるので、慎重なケアが求められます。

環境の変化と注意点

サギソウの植え替えは毎年行いましょう。平地では3月頃、降雪地では4月頃を目安に、春の成長が始まる前の休眠期に行います。植え替えをすることで、根元の土を新しいものに交換し、養分を補給します。

上から見たサギソウ

冬場は凍結乾燥やウイルスに注意し、水切れを防ぐようにします。適切な管理を行い、上手に育てることで翌年も美しい花を楽しむことができます。植え替えと適切なケアを行うことで、サギソウは健康的に成長し、花の季節には豊かな花を咲かせてくれるでしょう。

サギソウの種類

朝露がついたサギソウ

園芸種のサギソウは、いろいろな種類があります。

  • 飛翔 獅子咲きの花
  • 八月(はづき) 蝶咲きの花
  • 緑星(りょくせい) 緑の花
  • 玉竜花(ぎょくりゅうか) 大輪の花
  • 武蔵野(むさしの) 香りのする花

また花だけじゃなく葉っぱの模様や形状がさまざまなものがあり愛好家の方が多くみえます。

まとめ

サギソウの見頃は、7月中旬から1カ月程度です。自生地は減少していますが、園芸種の植栽が広まっており、比較的簡単に見られる花です。特にサギソウ祭が開催されている場所では、撮影用に鉢植えが貸し出されることもありますので、訪れる前に調べてみると良いでしょう。

以前は昭和記念公園でも撮影用の鉢植えが貸し出されていましたが、コロナ禍の影響で状況が変わっている可能性がありますので、最新情報を確認することをおすすめします。サギソウの美しい花を楽しむために、鉢植えや植栽が行われている場所へ足を運ぶとすてきな経験ができるでしょう。

300㎜望遠撮影とデータ
ニコンD3200 300mm f5.6 1/400秒

数百円で手に入るサギソウの鉢植えは、手軽に購入しておうちで撮影を楽しむことができます。しかし、いまだに自生地の盗掘が問題となっています。自然のサギソウを守り、将来鉢植えしか見られなくなるリスクを防ぐためにも、自然を大切にして撮影しましょう。

自生地の花を撮影することは素晴らしい経験ですが、その一瞬の美しさを持続させるためにも、環境保護への意識を高めて行動しましょう。サギソウの美しい花を手に入れながらも、自然の豊かさを守ることが大切です。撮影の際には、サギソウの美しさと自然の尊さをともに感じながら、環境への配慮を忘れずに楽しみましょう。

四季の花写真↓

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