日本の秋には欠かせない花コスモス、広大なコスモス畑の中で花に圧倒されて思った様な写真も撮れずに帰ってきたことは有りませんか。花の特徴などを知ることで見違えるような写真に変えてみませんか。この記事では、コスモスの花の特徴や花言葉、撮影法や名所まで撮影に必須の情報を詰め込んでいます、ぜひ参考に素晴らしい一枚を撮ってみましょう。
コスモス畑で写真を撮ってみたけれど
一面のコスモス畑で撮った写真をみて、
思っていたのと違うのだけれど…
という経験をしたことはありませんか?
その理由と失敗しない撮り方を解説します。
カラフルできれい、でもそれだけの写真
色とりどりに画面いっぱいに広がったコスモスの写真、きれいですよね。
でも何故か感動が無い?
これは、主題が絞れていないから。
花に限らずすべての写真の基本ですが、何を撮りたかったのかを意識しないとこのような写真になりがちです。
さて、かなり雰囲気が変わってみえませんか。
広いコスモス畑をみてきれい、と何も考えずシャッターを押してしまいがちですが、これは景色に惑わされた勘違いです。
見た目と実際に撮れる写真は、かなりの違いがあるものなのです。
例えばきれいなモデルさんが目の前にいたとします、何も考えずシャッターを押してもモデルさんの魅力は伝わりませんね。
よりきれいに見える角度、構図、モデルさんのポーズなど条件が整って良い作品が出来上がります。
では、何に注意してコスモスの写真を撮ればよいのでしょうか。
コスモスを撮る前に花を知ろう
花の撮影は、花そのものを知らないと失敗することが多いのです。写真撮影の前にコスモスの花について基本の情報をみていきましょう。
花の時期と特徴
秋の主要な花
コスモスは、主に秋に花を咲かせる代表的な花の一つです。特に日本では9月から11月にかけて、多くの地域で美しいコスモスの花畑が見られます。
日本古来の花のように思えますが、幕末に鑑賞用として入ってきた外来種。それが、1969年に野生化していることが確認されました。
キク科の植物で「オオハルシャギク」と言う別名もあります。似たようなオオキンケイギクは、特定外来植物に指定され駆除の対象にされていますが、コスモスはされませんでした。
夏咲きのコスモス
一部の品種は、夏から初秋にかけて早咲きをすることがあります。これらの早咲きのコスモスは、7月から8月にかけて見頃を迎えることもありますが、地域や気候によって開花時期が異なるため、注意が必要です。
早咲きのコスモス
9月頃に咲く種類で、キバナコスモスが多く他の色は咲いても数が少なく夏から引き続き咲いているものが多い。
遅咲きのコスモス
一方で、遅咲きの品種も存在します。これらのコスモスは11月に入ってからも花を咲かせることがあり、秋の終わりまでコスモスの花を楽しむことができます。
地域による違い
コスモスの開花時期は地域によっても異なります。日本の場合、北海道や高地の地域では秋が深まる10月から11月にかけての開花が一般的ですが、九州や南の地域では9月から10月にかけての開花が一般的です。他の地域や国々でも同様に気候に応じた開花時期があります。
花の特徴と品種の違い
コスモスの花は、多くの品種が存在し、それぞれに特徴的な色や形があります。ここでは、コスモスの花の特徴と代表的な品種の違いについて詳しく説明します。
花の特徴
コスモスの花は一般的に円形をしており、中心部には黄色い花芯があります。その周囲には花弁が放射状につながり、光り輝くような美しい姿をしています。
コスモスの花の色は非常に豊富で、ピンク、白、紫、赤、オレンジ、黄色など、さまざまな色があります。また、花びらの先が2色に分かれたバイカラーの品種も存在します。花の大きさ: 品種によって花の大きさが異なり、小花のものから大輪のものまでさまざまです。
キバナコスモスとの違い
キバナコスモスは、一般的なコスモスとは別の種類の花です。以下は、キバナコスモスと一般的なコスモスとの違いです。
- 原産地 キバナコスモスはメキシコ原産で、一般的なコスモスは米国原産です。
- 花の形 キバナコスモスは花弁が細長く、先がとがった鋭い形状をしています。一方、一般的なコスモスは比較的丸みを帯びた花弁が特徴です。
- 花の色: キバナコスモスもさまざまな色がありますが、一般的なコスモスほど色のバリエーションは多くありません。
代表的な品種
コスモスの代表的な品種には、以下のような違いがあります。
- センセーション・ミックス 花色が豊富で、花径が大きく、花弁が重なり合っている。
- ピコティ 花弁の先が波打っている。
- ベルサイユ 花弁が細く、花径が小さい。
- レッドイリュージョン 花色が濃い赤色で、花径が大きい。
- シーシェル 花弁の先が波打っていて、淡いピンク色。
- ダブルクリック 花弁が重なり合っていて、花径が大きい。
- イエロー・ガーデン 黄色い花で、花径が大きく、花弁が重なり合っている。
- サニーレッド(キバナコスモス) 花色は赤と黄色のグラデーションで、花径は小さい。
- チョコレートコスモス 濃い赤茶色の花でチョコレートのような香りが特徴。
撮影のポイントと作例
前ボケを入れる
花の色が映えるので前ボケに使っても効果的、できるだけボカしたいものに近寄って撮る。
ブレに注意
茎が細く風の影響をうけやすいので、シャッタースピードを速くするなどブレの対策が必要です。
逆光で撮る
完全にシルエットにすると茎と花の形の面白さが出ます。
透過光を使う
花の色や形もきれいに出るので、おススメの光です。シルエットにならないように注意。
ハイキーの表現
カラフルで明るい表現が出来ます、ポイントはあまり彩度を上げすぎない事。
ローキーの表現
色に深みを出したい時に最適、コントラスト、彩度とも上げましょう。青空に抜けた感じで撮ると良い。
背景のボケ
前ボケと違って浮き上がった感じに仕上がります。
チョウや虫を入れる
チョウもたくさん寄ってきますので夢中で蜜を吸っている時を狙って撮ります。
雨降り後
雨の後、早めに行くと水滴が茎について映り込みも撮れます。マクロレンズが最適。
玉ボケを入れて
望遠やマクロレンズで絞りを開くと玉ボケが出来やすい。
中部地方のコスモス撮影スポット
100万本のコスモス畑がスキーリフトから一望できます。
2023年9月22日現在、コスモスが満開見ごろとなっています。
2022年はコキアも試験植栽されて、10月には10万本のコスモスと一緒に楽しめる。
8~9月はキバナコスモス、9~10月は大花壇に50万本のコスモスが見られます。
10月は、約30万本のコスモスがみられ,11月までヒマワリとのコラボもみられます。
色別のコスモス花言葉
コスモスの花には色によって異なる花言葉があります。以下に代表的な色別のコスモスの花言葉をいくつか紹介します。
色 | 花言葉 | 意味 |
ピンク | 純潔 | ピンクのコスモスは、その優しい色合いから、愛情や感謝の気持ちを表現します。友情や仲間意識を示す花でもあります。 |
白 | 優美 美麗 | 白いコスモスはむくな心や誠実さを象徴し、新しい始まりや希望を表します。清潔感や純真さも伝える花です。 |
紫 | 調和 | 紫色のコスモスはその神秘的な色調から、魅力的な感じやロマンチックな気持ちを表現します。高貴さや尊厳も関連付けられます。 |
赤 | 乙女の愛情調和 | 赤いコスモスは情熱や愛情の強さを象徴し、熱烈な感情や情熱的な愛を伝える花です。力強さやエネルギーも含まれます。 |
オレンジ | 幼い恋心 | オレンジのコスモスは明るさや活力を表し、未来への希望やポジティブな気持ちを伝えます。創造性やインスピレーションも関連付けられます。 |
黄 | 野生の美しさ 自然美 | 黄色のコスモスは明るい色合いから、幸福や楽しさを意味します。明るい未来への期待や友情、楽観的な気持ちを表現する花です。 |
まとめ
秋には欠かせないコスモスですが、意外に他のシーズンでも撮れる花です。
失敗せずに撮るためには、
- 主題を明確に
- 遠近感に注意
- 光を上手く使う
とくに順光で撮った場合、立体感もなく平面にみえますので影を有効につかう工夫も必要です。花が旬の時期に出かけて撮りましょう。群生しているときれいな花の中に枯れた花が混じったり意外なものが写っていたりして気づかないことがあります。
花の咲く時期、場所のリサーチをしっかりとして、色別の花言葉などを考えながら撮ってみるのもまた、コスモスの違った一面がみられ楽しみが増えて来ます。
今年の秋もコスモスの花に囲まれてみませんか。
秋にはヒガンバナも撮ってみませんか↓
四季の花写真↓