いまさら聞けない三脚の話、初心者から上級者まで使える種類と撮影法を徹底解説

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三脚はカメラやレンズとは別物と思っておられる方が多いようですが、実はカメラのアクセサリーの中で一番売れているものなのです。

カメラやレンズは、スペックを見るとだいたい分かりますが、三脚の材質や耐荷重などを見てもいまいち分かりにくく種類も膨大に有るので初心者では選ぶのも大変なことです。

そこで、この記事では基本から応用まで三脚に関しての様々な疑問を解説してみました、選ぶのに迷ったときや三脚を使ったテクニックなどぜひ参考にしてみてください。

三脚の種類と特徴

一般的な三脚の部分の名称

三脚の部分の名称
  • 雲台  三脚本体に取り付けてカメラなどを固定する台
  • 水平器  雲台に固定されたカメラの水平を見るための機械
  • ハンドル  パンハンドルとも呼ばれ横方向と縦方向の二種類がある
  • エレベーターポール  クランプを回して三脚の高さを調整
  • 開脚ストッパー  開脚の角度を調整できるストッパー
  • 脚ロック     脚の長さを調節する。ネジ式、レバー式がある
  • 石突   三脚の先端部分。先のとがったスパイクと丸いゴムがある

一脚・三脚・マルチポッドの違いと使い分け

一脚、三脚、マルチポッドは、それぞれ異なる撮影シーンに最適な機能を備えた撮影用のアイテムです。

一脚

軽量・コンパクトなので移動が楽で、撮影時に手軽に持ち運ぶことができます。また、一脚は手ブレを軽減する効果があり、動画撮影にも適しています。

三脚

より安定した撮影環境を提供するため、長時間露光や風景写真の撮影に最適です。三脚は、高さ調整が可能で、カメラを置く面積も広いので、様々な角度からの撮影にも対応できます。ただし、一脚と比較して重くてかさばるため、持ち運びには注意が必要です。1キログラム以下の小型、長時間露光や花火などブレを防ぐ中型、中型以上の安定性を求めたプロ仕様の大型、などの種類があります。

マルチポッド

さまざまなシーンで使い勝手がよく、脚の数や形状を自由自在に変えることができます。三脚のように安定性が高いわけではありませんが、柔軟な撮影スタイルが可能で、旅行やアウトドアなどで重宝されます。小型カメラやスマホをメインとした手持ち三脚やテーブル三脚の事。

雲台の種類と使い方

カメラ三脚には、様々な雲台(カメラを固定するための装置)があります。雲台の種類によって、撮影できる角度やカメラの向きが変わるため、撮影シーンや目的に合わせた適切な雲台を選ぶことが重要です。

3ウェイ雲台

三脚の雲台

二本のハンドルで水平、垂直方向にカメラを動かせます。パンハンドルは上下方向をティルトハンドルは水平方向を操作することに使用します。水平、垂直を別々に操作できるので水平を決めた後に上下を調整しても水平がズレることなく使えます。

自由雲台(ボールヘッド)

小型で携帯性にすぐれ、構図の移動が素早く出来ます。水平垂直自由に動かせる分ロックを緩めると水平垂直一緒に動いてしまいます。小さくても固定力の強い雲台です。

ギア雲台

商品撮影など厳密なフレーミングを求められる撮影に適しています。3ウェイ雲台のようにハンドルでロックしたり緩めたりせずロックした状態のままノブを回すことでギアを使用して細かな構図調整がで可能。ロックを解除すると大きく動かすこともできます。3ウェイ雲台に比べると重く高価になるというデメリットがあるので使用する目的にあわせて選びましょう。

ジンバル雲台

アウトドアやスポーツ撮影などで使われるジンバル雲台は、カメラを水平に保ちながら、激しい動きをする被写体を追跡することができます。やじろべえのように前後でレンズ、ボディの重量バランスを取ることが出来、大きな超望遠レンズを使うとき機材の重量を支える力が非常に少なくて済みます。

材質の種類と特徴

三脚には、様々な材質が使用されています。材質によって、重量や強度、価格、使用目的などが異なるため、自分に合った三脚を選ぶためには、材質の特徴を理解することが重要です。

アルミニウム

アルミニウムは、軽量でありながら強度があり、比較的低価格で入手できるため、初心者でも使い勝手の良い材質になります。

カーボンファイバー

カーボンファイバーは、アルミニウムに比べて強度が高く、軽量で振動を吸収することができるため、風景写真やマクロ撮影など、高精細な撮影に向いています。ただし、価格が高いため、中、上級者むけになります。

マグネシウム合金

マグネシウム合金は、アルミニウムよりも強度が高く、耐久性に優れています。また、軽量であるため、持ち運びがしやすく、アウトドアやスポーツ撮影などに適しています。アルミニウムよりは価格がやや高めです。

プラスチック

スマホ用のマルチポッドなどはプラスチックの素材も有りますが軽くもち運びに便利で価格も低い反面壊れやすいというデメリットもあります。

中には雲台の部分と本体で別の材質(アルミとマグネシウム合金など)が使われているものもあります。

 

カメラと三脚の相性

カメラの重さと三脚の耐荷重の関係

三脚にあったカメラ

カメラ三脚を選ぶ際に重要なのが、カメラの重さと三脚の耐荷重の関係です。カメラの重さが三脚の耐荷重を超えると、三脚が倒れたり破損したりする危険性があるため、注意が必要です。

三脚や雲台メーカーから公表されている耐荷重というものは統一したものがなくメーカー独自の基準が多くなっています。ただし参考にしないと自分のカメラに適合しているのかどうか不安になりますよね。

おおよそですが、雲台の場合は表記の耐荷重の半分まで、三脚は1/3までの機材の積載が理想と考えましょう。単純な例をあげますとカメラとレンズあわせて3㎏の場合耐荷重9㎏の三脚が欲しくなります。

三脚の耐荷重は、三脚全体の強度や素材、脚の太さや本数などによっても異なります。また、使用状況や風の強さ、三脚の高さや角度などによっても変化し倍くらいの耐荷重でも使用できたり3倍でも足りなかったりする場合もありますので普段よく使う条件を考慮することも重要です。

メーカーの規格より重たいカメラやレンズをつけた場合、撮影中に足が縮む、雲台が傾く、シャッターを切るとブレる、などの不具合が出て最悪三脚が倒れカメラが地面に衝突することも考えられます。特に屋外での撮影では、風の影響を受けやすいため、十分な耐荷重が必要となります。

一方で、耐荷重を過剰にすることも問題です。三脚が大きくなると、持ち運びや取り扱いが難しくなります。また、カメラを取り付けるとその分の重量も増えて操作性も悪くなります。そのため、自分が使用するカメラの重さに合った耐荷重の三脚を選ぶことが重要になってきます。

カメラの種類による選び方のポイント

中型と小型の三脚

カメラの種類によって、三脚の選び方にも違いがあります。ここでは、一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、コンパクトカメラのそれぞれについて、選び方のポイントを紹介します。

一眼レフカメラを使用する場合は、大きなレンズを使用することが多いため、三脚の耐荷重が大きいものを選ぶ必要があります。また、高い位置からの撮影をする場合は、三脚の高さにも注意が必要です。一眼レフカメラは重く、三脚の持ち運びや取り扱いにも注意が必要です。

ミラーレスカメラは、一眼レフカメラに比べてコンパクトで軽量です。そのため、耐荷重が低めの三脚でも対応できます。ただし大きなレンズをつけた場合は事情が変わってきますのでご注意を。また、三脚の高さや持ち運びのしやすさにも配慮した商品が多く、自分に合ったものを選びやすいでしょう。

コンパクトカメラやスマホを使用する時は、小型軽量であるため、小型の三脚やマルチポッドでも十分に使用できます。しかし、高い位置からの撮影には不向きな場合もあります。

三脚のセッティング

カメラの高さを先に決める

カメラの高さを決めてから三脚を伸ばすようにします。三脚にカメラをつけた状態で、脚の長さを調節するとバランスを崩してたおれることがありますので注意してください。また、脚を開く時は半端に開かずにいっぱいまで開くようにしましょう。

地面の状態に応じた三脚のセッティング

三脚を使う際には、地面の状態に応じてセッティング方法を変える必要があります。

脚の長さの調節は雲台が水平になるよに調節しましょう、雲台の角度を変えてカメラを水平にすることもできるのですが三脚が不安定になりやすいので脚の長さで調節するようにしましょう。カメラの高さは、エレベーターで調節できますが、不安定になることが多いので出来るだけ脚で調節をしてください。

  • 硬い地面
    硬い地面では、三脚の足をしっかりと地面に固定することが重要です。足先にスパイクをつけると、地面にしっかりと食い込んで安定感が増します。また、スパイクが使えない場合は、三脚の足の底にゴムキャップをつけて滑り止め効果を高めることもできます。
  • 軟らかい地面
    軟らかい地面では、三脚の足が地面に沈んでしまうことがあります。そのため、足先にスパイクをつけるとかえって安定感が低下する場合があります。代わりに、三脚の足の底に大きな板をつけて、地面に広く接地することで安定感を増すことができます。
  • 不均一な地面
    不均一な地面では、三脚の足の長さを調整することで、安定感を確保する必要があります。足の長さが違う場合は、三脚の角度を調整することで、水平にカメラを設置することができます。また、傾斜している場合は、足先にスパイクをつけることで、しっかりと地面に固定することができます。

被写体別三脚の使用法

被写体によって三脚の使い方も変わってきます。基本はブレを防止するものですが中には違った使い方をする場面も出てきます。

風景写真撮影における三脚の活用方法

風景写真を撮影する際には、三脚は非常に重要な役割を果たします。

風景写真の場合、かなり絞って撮影することが多いのでまず手ブレを防ぎたいところです。ブレが防げたら更にISO感度を下げてノイズの少ない高画質な写真が撮れます。水平線や地平線を入れる風景写真の撮影はカメラを固定できるので構図もしっかりと決められます。

広い範囲を写すパノラマ写真を撮影する場合、手持ちで撮影すると、カメラの角度が揺れてしまい、パノラマ写真がうまくつながらないことがあります。そこで、三脚を使用することで、カメラの角度を一定に保ち、美しいパノラマ写真を撮影することができます。機種によっても違いはありますが、三脚使用時は手振れ補正をオフにしておいた方が無難です。

マクロ撮影における三脚の使い方

背の低い花の撮影にはミニ三脚など非常に低い位置に設置できるものもあります。

エレベーターポールを取り外した画像

三脚によってはエレベーターポールを取り外して低い位置に設置できるものもあります。

水滴写真

微細な水滴などの撮影にはマクロヘッドやマクロフォーカシングレールなどの雲台がありミリ単位のピント合わせも可能です。マクロ撮影はこのようにブレばかりじゃなくピントを合わせるのにも三脚が必要になってきます。

長秒露光を使った非日常表現

車のライトの長秒露光

長秒露光で車のライトを光の軌跡として表現できます。花火も合成無しで重ねて撮る事ができます。

水の流れの長秒露光

水の流れも連続して撮ると質感が違った線になって見えます。

人が半透明に見える画像

長秒露光をすることで風景写真の中に入り込んだ人の姿を消すことも可能です。イルミネーションの撮影にも三脚は必須ですね。

これらは、すべて三脚を使った長秒露光になりますが、ブレに注意することと露光途中で強い光が入るとオーバーになって長い時間撮ったものがダメになってしまうので気をつけましょう。

鳥や飛行機の撮影

三脚使用の一番の目的はブレを防ぐことなのですが、鳥や飛行機、電車などの撮影では超望遠レンズなど重たいレンズが良く使われていて手持ちではフォーカスの追従なども素早く出来ないことが多いものです。電車や飛行機の流し撮りも三脚を使用したほうが正確にきれいに撮れるでしょう。

 

三脚の手入れと保管方法

中型三脚の画像

撮影が済んだら三脚はしっかり手入れをしましょう、以下に失敗しそうな手入れと保管法をあげてみました。

汚れをそのままにしておく

三脚は屋外で使うことが多く、泥やホコリ、水滴などがつきやすいものです。これらの汚れをそのままにしておくと、腐食や損傷の原因になります。使用後は、柔らかい布で汚れを拭き取りましょう。雨などでぬれた時はパイプの中にまで水が入っていることがあるので伸ばしたり縮めたりして水をシッカリ出して脚をしっかり伸ばした状態で乾かすようにしてください。

保管場所を選ばない

三脚を適当な場所に放り込んでしまうことは避けましょう。湿気の多い場所や直射日光の当たる場所、風通しの悪い場所などは避け、涼しい場所で保管するようにしましょう。

部品を無理に外そうとする

三脚は複数の部品で構成されていますが、素人が無理に外そうとすると、部品の破損や損傷の原因になります。必要以上に分解する必要はありません。また、部品同士が緩んでいる場合は、専用のツールを使用して締めるようにしましょう。

油脂類で手入れする

三脚は金属製が多く、油脂類を使用すると、本来あるべき摺動部分が滑りすぎてしまい、逆に機能不全に陥ることがあります、脚のロック部分などがこれにあたり使用中に脚が縮んで転倒の事故につながります。手入れは、特に汚れが落ちにくい部分を中心に、水で洗い流し、乾いた布で拭いて終了するようにしましょう。

次に使用する時に不具合が起こらないように手入れをこころがけておきましょう。

おすすめの三脚とカメラのコンビ

初心者におすすめの三脚とカメラの組み合わせ

初めて三脚とカメラを買おうと考えている初心者の方におすすめの組み合わせをご紹介します、三脚はかなり多くの種類がありますのでほんの一例として参考までにご覧ください。

一脚
・カメラ重量:1.5kg以下
・レンズ:35mm以下の標準レンズ
・おすすめ商品:SIRUI P-326 (\8,440)

三脚(小型)
・カメラ重量:1.5kg~3kg
・レンズ:35mm以下の標準レンズ
・おすすめ商品:Manfrotto MT190XPRO3(\23,637)

三脚(中、大型)
・カメラ重量:3kg以上
・レンズ:35mm以上の大口径レンズ
・おすすめ商品:Gitzo GT3542L(\145,600)

カメラによっては三脚に取り付けるためのプレートが必要な場合もありますので、購入前に確認しておきましょう。

初めての三脚選びは、自分が撮影するシチュエーションや用途に合わせて選ぶことが大切です。しっかりと比較検討して、自分に合った三脚を選びましょう。

中・上級者におすすめの三脚とカメラの組み合わせ

一脚
・カメラ重量:1.5kg以下
・レンズ:35mm以下の標準レンズ
・おすすめ商品:GITZO GM4562(\51,000)

三脚(小型)
・カメラ重量:1.5kg~3kg
・レンズ:35mm以下の標準レンズ
・おすすめ商品:Manfrotto MK190GOA4-3WX(\46,750)

三脚(中・大型)
・カメラ重量:3kg以上
・レンズ:35mm以上の大口径レンズ
・おすすめ商品:Gitzo システマティックGT5543LS+雲台(\226,100)

上級者の方々は、カメラと三脚を組み合わせる際に、撮影シチュエーションや用途に合わせて非常に細かい調整を行いたいと思われる方が多いと思います。上記の商品は、高い精度と安定性を実現するために、耐荷重性や雲台の種類、脚部の素材などにもこだわりがあります。ただし、価格も高額なものが多いため、初心者が真似をして簡単に購入できるものではありません。購入前にによく考え、自分に本当に必要なものを選びましょう。

売れ筋の三脚

初心者、上級者関係なく売れ筋ベスト10の中から一脚を除く三脚五本を選んでみました。

高さ重量耐荷重材質価格
SLIK GX-S 6400470㎜~1,540㎜1,250g1.5㎏アルミ\3,773
Manfrotto MKELMII4CMB-BH430㎜~1,600㎜1,350g8㎏カーボンファイバー\23,085
Leofoto Ranger LS-324C+LH-40570㎜~1,705㎜1,930g15㎏10層カーボンファイバーチューブ\58,905
Manfrotto MKELES5BK-BH320㎜~1,430㎜1,150g4㎏アルミ\12.960
ベルボン EX-640 II 535㎜~1,700㎜1,690g3㎏アルミ\7,855
2023年3月現在

三脚を上手に使いこなす

アクセサリーを使う

  • ストーンバック  三脚の脚に取り付けるものでおもりを入れて三脚を安定させます。
  • クイックシュー    三脚から取り外してカメラの底面につけたままで撮影可能な雲台のようなもので、ワンタッチで脱着ができるようになっています。三脚にカメラをつけたままの移動は思わぬ事故の元なので、便利なアイテムになります。
  • 三脚スマホホルダー   三脚にスマホを取り付けるアイテム、種類や価格も様々でBluetooth対応でワイヤレスリモコンがついたものもあります。
  • L字ブラケット   カメラを縦位置にしたとき三脚の中心からカメラがズレることなく撮影できます。クイックシューのように取り外して縦横どちらの位置でも取り付け可能。
  • カメラのストラップ   ストラップをパンハンドルに巻き付けておくとカメラが雲台から外れた時の落下防止になります。

カメラの取り付け方で死角を無くす

3ウェイ雲台はパンハンドルで雲台を上に向けた時、カメラをある角度より上に向けることができません。カメラを通常と反対方向(パンハンドルにレンズが向くように)に取り付けることで、真上近くまでカメラのアングルを向けることができます。

カメラを逆向きに設置

三脚の種類によってエレベーターポールの下にカメラを取り付けるネジがついているものがあり、カメラを逆さまにつけられ地面スレスレのアングルで撮影ができます。

ブレを防ぐ

ミラーアップ機能

一眼レフの場合は、ミラーアップの設定ができる機種も多くミラーショックというブレを防ぐことができます。なお、ファインダー撮影ではなくライブビュー撮影の場合はミラーが上がったままになります。

リモコン撮影

シャッターを切る時もブレる可能性が有るので、レリーズかセルフタイマーを使用しましょう。リモコンのレリーズなら少し離れたところからも操作可能です。

まとめ

初心者からプロの使う三脚の選び方やテクニックを解説してきましたが、三脚選びや撮影の参考にしてください。

また種類が多すぎて選びきれないという方は、レンタルで借りて使ってみてから購入するという手段もあります。

そして、三脚使用で注意することとして、人が混み合う場所や立ち入り禁止の場所など三脚が使えない条件も有りますので、ぜひマナーを守って撮影に臨むように心がけましょう。一部マナーを守れない方のせいで、それまで三脚が使えていた場所でも禁止になることがあります。

三脚に限ったことではありませんが人に迷惑をかけずに楽しい写真ライフをおくってください。

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